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牛若丸

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予想士組合最長老の八艘飛びに注目【牛若丸】若土正夫

インタビュアー【野中香良】――若土先生は予想士の中で最年長だとか。年齢は書きませんが、お若く見えますよね!

 

牛若丸【若土正夫】……年齢は一番、上かも知れないけど、体力は40代にだって負けていないよ。走れているうちは予想も冴えているだろうしな(笑)。

 

――先生は今でも毎日ランニングを欠かさないのだとか。先生の名前を検索してみると、1969年のびわ湖マラソンで9位だった記録が出てきました。1位の方が2時間22分44秒のところを、2時間30分20秒だったとか。雨も降って蒸し暑い状況だったみたいですが……。

 

……馬でも重馬場や雨を嫌がる馬はいるけどな。当時は今みたくシューズだって立派じゃない。過去の競走馬と現在の競走馬の強さを比較しようとしても正確にはできないのと一緒だし、競馬は馬場の整備方法もアップしているからね。そういった意味で時計自体に意味はないよ。マラソンは他にも青梅マラソン(30キロ)でも13位に入ったことがあるし、時計でいえば2時間26分は7回切っているからね。

 

――レースの合間にダッシュされているのを拝見していて「元気だな~」とは思っていたんです。

 

……だって、80歳になるけど毎日10kmはランニングしているからね。競馬予想は頭を使う分野といっても、身体が元気じゃないと冴える予想はできないと思っているよ。

 

――他にも昭和42年の越谷市の代表団の一人として駅伝にも出場されたりしていたとか。私なんか歩くのも辛いです。そんな先生が競馬予想士になられた訳を教えてください。

 

……見るからに重目残りの体型だよね。冗談はともかく、品川育ちで大井は庭みたいなもの。実業団でマラソン練習の合間に競馬を見たり、馬券を買っていたりして自然とハマっていったよね。マラソンなんかやっている位なので、とにかく負けるのが嫌。昭和54年に弟子入りして、昭和60年に独立。助手は6年間やったよね。

 

――マラソンが競馬予想に役立っていることってありますか?

 

……いっぱい、あるよ! 何といっても体力。予想士は意外と体力も使うんだよ。一般のファンからすると、競馬新聞の予想を適当にアレンジしているだけとか思う方もいるだろう。ただ、それじゃ、負けるよね。新聞は予想ではなく馬柱を見たさに買う人もいる。ところが、我々、予想士は勝てないと予想は売れない訳だから。となると、予想時間だって必要。1日予想すれば5~6時間なんてすぐに経ってしまう。それに加えて、場立ちで6~7時間はかかる。開催日なんて12~13時間は働いている訳だから体力は使うよね。場立ちは外なので夏は暑いし、冬は寒い。そもそも丈夫じゃなきゃ、できない仕事だよ。

 土日は南関休みと思っている人もいるけど、復習や次の週の準備だとか考えたら時間は必要。俺は南関四場全てで場立ちしているからね。

 

――過酷なご商売ですよね。しかも、先生は誰よりも早く台について、皆さんの台を清掃したりするんだとか。

 

……仕事という意味ではライバル関係にあるのは確かだけど、予想を離れれば仲間だからね。こういうのを古臭いとか予想に関係ないとか思う方もいるだろうけど、武士道というか、みんなで気持ちよく仕事したいじゃない。

 

――スポーツマンに多いタイプの方なんですね。でも、予想は早くから前半3ハロンの時計に注目していたとか。

 

……これもマラソンの経験からくるところもあるんだけど、全体時計ももちろん重要。ただ、時計の中身って意外と気にされていないな~と思っていたんだよ。マラソンだとトップグループが集団で走っていて牽制し合うとか、誰かが早くスパートを掛けるとかで展開は変わる。

 競馬の場合は前に行く馬がレースの質を決めるよね。3走前までのテンの3ハロンが予想のベース。テンの脚をみて、どの馬がいくだとか、ペースだとかの想定を立てる。当日の馬場状態などは見てみないと分からない日もあるけど、テンの脚だけを気にしているだけでも展開が読めるようになってくるんじゃないかな。

 

――本紙をみると、必ずどのレースも展開予想が書かれていますもんね。

 

……他にも独自に作っている能力指数も載せていますよ。ただ、南関はクラス訳が細かいので、他地区から有利な転入条件で入ってくる馬がいない限りはドングリの背比べみたいなレースも多いけど。そうやって突き詰めていくと、テンの分析がもっとも重要だよね。能力差が少ないのなら、前に行った方が有利。マラソンもそうだけど、後方からごぼう抜きみたいなレースは少ないでしょ。

 もちろん、展開自体が読み違うこともあるけど、基本的には前に行く馬がどの馬なのかを見極めるだけでも、馬券は当てやすいと思うよ。  何だかんだいって、地方競馬は前が残りやすいのは確かだから。JRAの芝コースであれば、差し一辺倒みたいなこともあるんだろうけど、大井も外回りだって前が残るレースも多いし。

 

――若土先生の本紙は手書きですけど、展開、レースのポイント、能力指数と参考になりそうな項目が一杯ですね。

 

……それでも最後はパドックを確認して決断します。とにかく当てるのが商売だからね。闇雲に馬券を買っていると負けてしまうもの。わざわざ予想士に金を払って予想を聞きにきてくれるのなら、最後は当てなきゃ意味ないじゃない。下調べを何時間かけても、パドックを見て断念することはありますよ。それが当たり前だとも思っている。結果を残さないといけないから。

 

――確かに、予想士さんの予想を購入させて頂くと、「当たってくれ」とか「この通りに乗ってみよう」とはすごく思います(笑)。

 

……「牛若丸」の屋号は俺が小さくて八艘飛びできそうだからとつけた訳じゃないんだよ。師匠が牛木先生という名前だった、それで俺が若土だろう。最後によく○がつく、的中が並ぶようにということでの「牛」「若」「丸」が本来の屋号の由来だからね。

 

――てっきり弁慶に向っていく牛若丸からの由来と思っていました。

 

……もちろん、そういった意味もあるけど、この商売は○をいっぱい貰わないといけないからね。これだけやっていても会心の的中なんてそれほどあるもんじゃない。

 

――では、その会心の的中はどのようなレースだったんですか。

 

……大きいレースでいえば87年の東京大賞典かな。テツノカチドキって馬が8歳で途中から逃げて押し切ったレースだったんだけど、1点勝負だと伝えていたし、その通りの結果になった。  元々、先行するタイプの馬だったんだけど、逃げた方が持ち味も出るというのを常に思っていた。当時の東京大賞典は3000mで逃げ馬が必ずしも有利ではなかったからね。

 元々、5歳時に大賞典を勝利していた馬だしね。実力は備えていたのよ。メンバーを考えたら、さっさと仕掛ける、8歳で引退レースでもあるし一発に賭けてくるという読みもハマった。まぁ、古い話だし、最近当たってないのかと思われるのも嫌だけど(笑)。どちらにしても、会心の予想をするためにも元気でいなければね。

――若土を見ていると、確かに、台には椅子こそ用意しているものの、お客さんがいる際は座っていないし、レースを見にいくときは小走りしていることも少なくない。若い時に鍛えていたとはいっても、今も鍛錬していなければ、簡単に動けるものではないだろう。

 体力、気力の充実が予想を冴えさせるというポリシーが伝わってくるし、実際に自分を厳しく追い込んでいる。走れる間は予想士を続けるという若土の若々しい予想に今後とも注目しておいて欲しい。

 

インタビュアー【野中香良氏】――主に競馬を専門とするライター。大手生産牧場の戦略意図が分かれば必然的に馬券は当たりまくる! (競馬王馬券攻略本シリーズ) 、馬券しくじり先生の超穴授業 (競馬ベスト新書) 等の著者でもある。

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