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スピード指数を作成し能力を比較【ラッキー社】菅原茂

インタビュアー【野中香良】――先生はいつもキャリーバッグを抱えながら移動しているのが印象的です!!

 

ラッキー社【菅原茂】……もう73歳だしパソコンとかは苦手なのさ。中身は競馬の資料だよ。納得のいくまで調べるには資料作りが重要なんだ。地方はJRAと違って成績をまとめた週刊誌は出ていない。当然、過去の結果を細かく調べたい際は新聞も必要となる。その時に自分が打った印や、展開などを書き込んだメモなどを持ち歩くとなるとキャリーバッグじゃないと運べないんだよ(笑)。

 

――そもそも予想士になられたきっかけはどのような経緯だったのでしょうか。

 

……多くの予想士がそうだと思うけど、競馬好きが高じてだね。元々は大手スーパーに勤めていたんだけど、最初はJRAが中心。だけど、休みは平日が大半だから必然と南関競馬に流れ着いたんだよ。自分が馬券好きだったということもあるんだけど、やっぱり馬の能力を把握しないといけない。

 本命だろうが穴だろうが、能力のない馬は究極のことをいうと勝てないからね。そのためには馬群と位置取りをしっかりとVTRで全部のレースで把握する必要があるなと思った訳。サラリーマンじゃそこまで時間足りないでしょ(笑)。

 

――今でも相当な時間を研究に割いているとお聞きしました。

 

……馬立ち自体は大井と川崎だけだけど、その2開催の印を作るのにも浦和や船橋の結果を見ておいた方がいいということは少なくない。川崎開催は船橋や浦和からの遠征馬たちが鍵になることも多いでしょ。可能な限りは研究時間に割いているのは確かだよね。枠連時代から年間の回収率が100%を超えたことも1度や2度じゃありませんよ。

 

――となると先生は穴党なんでしょうか。

 

……予想士はその手の区別はあまり好きじゃないところもあるけど、中穴主体の予想です。というのも競馬は1点勝負で全てのレースを当てることは不可能。どうしたって何点かは点数を買う。そうなった際に堅いところばかりを狙っていても回収率は上がってきません。どうしたって堅いレースってあるもんだけど、大井でずっと堅いレースが続くということもないし、お客さんに儲けて貰いたいと思ったらある程度は捻らなきゃならない。

 ただ、大井などは穴が出やすいからといって、ノーマーク馬を根拠なく狙うのも違うと思っていますよ。そうなると、能力があって人気の盲点になっている馬が中心。必然的に3、4番人気前後の馬が軸になってくるという感じかな。

 

――なるほど。そうなるとメインとなる券種は馬連とか馬単となるのでしょうか。

 

……お客さんが3連複、3連単で大穴を当てたいというのは理解しているつもり。ただ、3着というのは勝負が終わった後に突っ込んでくることもあるでしょう? 1、2着の態勢は決したのに、無欲の追い込み馬などがたまたま3着に上がることもある。となると、偶然とか偶発的なことを予想して決められた点数の中で3連複、3連単を狙って高配当を当てるというのは厳しい。しかも、3連複、3連単は点数も広がりがちだし、それなら馬連でも十分な配当となりそうなところを、お客さんには提示しているつもりですよ。

 

――先生の予想ポイントはどのようなところにあるのでしょうか。

 

……下調べはこれでもかという位にします。枠順、馬場差なども吟味しますよ。展開だって、専門紙に出ているような単純なものになるとは限りません。近走逃げていなくても、突発的に逃げる可能性を秘めている馬もいますからね。騎手の乗り方なども当然、参考にします。外を回しちゃうんだよな~とか強気過ぎるとかもありますからね。

 そして、独持のスピード指数もつけている。南関は基本が平日5日間開催だけど、初日と2日目で時計の出方が違うということも少なくありません。月曜日は晴れていたけど、水曜日に雨が降ったというのもあるし、そうなった際に単純に時計だけを見ていると見誤る。馬場差と着差を考慮して、スピード指数を出すことによって時計比較ができるようにしています。

 

――予想に占める馬場の割合も大きいというのは間違いなさそうですね。着差もスピード指数に含まれているんですね。

 

……余力があっての0秒1差なのかとか、脚上がって0秒1差なのかじゃ全く意味も違いますからね。過去の対戦比較などを含めての比較というのが正確かな。馬場に関しては、毎日競馬場に来られるお客さんはほとんどいないはず。となると、予想士がしっかりとその時の馬場状態などを説明してあげないと不親切。「この日は時計が速かったから鵜呑みにしちゃいけないよ」とか「この日は時計掛かっているけど、砂の入れ替えがあった後」といった点だけでもアドバイスあれば馬柱の見方も変わってくると思うんですよね。

 

――こと細かくチェックされているということが改めてよく分かりました。確かにキャリーバッグは必要ですね(笑)。そこまで精査されている前予想をパドックなどで変えることがあるんですか?

 

……私は躊躇なく変えますね。というのも、先ほども指摘した通り、馬場は魔物。インが良かったと思ったら、次の日はインが死んでしまっていることも珍しくありません。馬だって生き物だし明らかに調子を落としているとか、その逆で完全に良化しているし、このデキなら買えるとかありますからね。ひと昔前までは、休み明けの馬は叩いてからという常識もあったけど仕上げ方も変わってきた。休み明けでもしっかりと決めることはあるし、他の地区からの転入馬もいます。やっぱり、目の前で見ることによって予想していたときの印象と違っていることはあるからね。そういう時はズバっと変えます。予想を変えて良かったこともあれば、失敗したなと思うこともあるけど、目の前のお客さんに的中を届けるためには、何時間かけた予想でも違うと思えば変える勇気は必要だと思っていますよ。

 

――先生のレベルまで予想を突き詰めることは難しいと思うのですが(苦笑)、これから競馬を勉強したい、的中率をアップさせたいと思っているファンの皆さんにアドバイスをお願いします。

 

……前走主体の予想と決別することだよね。直前の成績がいいとそれだけで人気に推されてしまうでしょう。また、直前の成績がいいというだけで強いと勘違いしてしまいがちなんだけど、相手に恵まれたとか馬場があっていたということは少なくありません。逃げ馬が少ないレースかつ馬場状態も後方からの馬が差せないようなレースで、逃げ切ったとしても強いとはいえないでしょう。余力があったのか、それともギリギリで逃げ切ったのかでも違う。負けていても強かった場合ってあるんだよね。あれほど出遅れて大外を回したのに脚はあったとか。前走とか2走前とかだけの着順に騙されないようにということだけを心掛けるだけでも違うと思いますよ。後は展開を読み解く力を付けること。どの馬が逃げるだとか、馬場状態と併せて考えるだけでも中心になる馬は見えてくるかな。最近の若いファンは馬券も上手だから、これ位のことはアドバイスにもならないでしょう(笑)。

 

――いやいや、南関はデータを集めるのが大変ですし、先生のスピード指数が参考になるのはよく理解できました。

 

……自分自身も予想士になる前は馬券ファンだったし、金沢競馬で何百万にしたこともあるから、ファンの皆さんの気持ちは分かっているつもりですよ。後、馬連主体っていったけど、3連単でもそれほど恥ずかしい成績にはなっていないというのは書いておいて(笑)。

――見たまんまの温厚な性格である菅原。しかし、内に秘めたる予想士とのしてのプライドは他の誰にも負けていないし、予想士仲間が競馬仙人と一目置くのも理解できる。

 

インタビュアー【野中香良氏】――主に競馬を専門とするライター。大手生産牧場の戦略意図が分かれば必然的に馬券は当たりまくる! (競馬王馬券攻略本シリーズ) 、馬券しくじり先生の超穴授業 (競馬ベスト新書) 等の著者でもある。

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